胆のう・膵臓の病気
胆のう・膵臓について
●胆のう
胆のうとは、肝臓で作られた胆汁を蓄積する役割を担う臓器です。 胆のうは西洋梨のような形をしており、肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中に位置しています。大きさは約10cm×4cmで、50〜60mlの胆汁を蓄えることができます。
●膵臓
膵臓とは、食べた物を消化する膵液を生成し、十二指腸へ送り出す役割を担う臓器です。 また、血糖値を調節するホルモンであるインスリンを分泌し、血液中に送り出す役割も果たします。膵臓は胃の後ろあたりに位置し、約20cmの細長い形をしています。

胆のう・膵臓の病気は自覚症状が乏しい
胆のうや膵臓の病気は初期の段階では自覚症状に乏しく、気づかないうちに進行している恐れもあります。胆のうがんや膵臓がんは、進行すると根治が難しくなるため、早期発見・治療が重要な病気となります。
以下のような症状が現れている場合には、できるだけ早めに消化器内科にご相談ください。
胆のう・膵臓に関連する症状
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背中の痛み・腹痛(膵臓)
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黄疸
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吐き気・嘔吐
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食欲不振・体重減少
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右上腹部あたりの痛み(胆のう)
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腹部膨満感
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疲れやすい
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尿が茶色く変色い
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糖尿病の発症・悪化(膵臓)
胆石症
胆石症とは
胆石症とは、胆汁の通り道(胆道)のどこかで胆汁の成分が固まって結石ができる病気です。胆石ができる場所は胆のうが一番多く、「胆のう結石」といいます。ほかにも胆石ができる場所によって、「総胆管結石」や「肝内結石」とも呼ばれます。
胆石症があっても、無症状であることが多いです。胆嚢や胆管の細い部分に石がはさまってしまうと、痛みや吐き気をおこします。長く続くと、発熱・黄疸など胆嚢炎や胆管炎症状がでてきます。

診断・検査
腹部超音波検査で胆石の有無や大きさを調べることができます。胆管内に結石があり、胆管が拡張している場合も超音波で分かります。
超音波検査は痛みもなく、すぐにできる検査です。食事を食べると胆嚢がしぼんでしまうので、食事は取らずに来院することをおすすめします。
胆石症の治療
無症状の方は基本的に治療は必要ありません。腹痛発作がある方で、胆石症による症状が疑われる場合には、手術による胆嚢切除をおこないます。
※手術が必要な場合は、高度医療機関をご紹介いたします。
膵のう胞
膵のう胞とは
膵のう胞とは、膵臓にできる、内部に液体を溜め込んだ袋状のものを指します。 膵のう胞には、良性のものから悪性のものまで、さまざまな種類があります。
多くの場合は無症状で、健康診断や人間ドックなどで偶然発見される場合が多いですが、腹痛や吐き気といった症状が現れることもあります。
膵のう胞の診断・検査
膵のう胞には多くの種類があり、種類によって治療の必要性や治療法が異なってきます。
腹部超音波検査にて膵のう胞が発見された場合、CT検査、MRCP検査(MR胆管膵管撮影検査)、超音波内視鏡検査(EUS)などの精密検査が必要です。
※精密検査が必要な場合は、高度医療機関をご紹介いたします。
膵のう胞の治療
膵のう胞が悪性の場合は、治療は外科的手術が第一選択となります。
※手術が必要な場合は、高度医療機関をご紹介いたします。
膵臓がん
膵臓がんとは
膵臓は腹部の奥(胃の裏側)に位置するため、がんの早期発見が非常に難しい臓器です。進行すると、お腹や背中の痛み、食欲低下、体重減少といった、他の病気でもみられる症状が現れます 。また、膵頭部にがんができ、それが進行すると、胆汁の通り道を塞いで黄疸(閉塞性黄疸)が生じることがあります。その結果、白目が黄色くなる、尿が濃くなる、便が白くなる、皮膚にかゆみが出るといった症状が現れます。膵臓はインスリンを分泌して血糖を下げる働きがあるため、糖尿病の悪化したり、発症した場合も注意が必要です。

膵臓がんの診断・検査
膵がんの診断には超音波検査、CT、MRI、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、血管造影などの検査が行われます。
※精密検査が必要な場合は、高度医療機関をご紹介いたします。
膵臓がんの治療
膵臓がんの治療が必要な場合は、高度医療機関をご紹介いたします。
最近では、手術に加え、化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療が広く行われています。