胃カメラ検査
胃カメラ検査とは
胃カメラ検査は、胃だけでなく、食道や十二指腸といった上部消化管の粘膜全体を詳細に観察できる検査です。先端にカメラが付いた細いファイバースコープを挿入して観察し、疑わしい組織を採取することができるため、病理検査を行い、多くの疾患を確定診断できます。そして、食道がんや胃がんの早期発見と確定診断が唯一可能な検査です。日本人に多い胃がんは、早期に発見で きれば完治の可能性が高まります。
当院では、これまでに総件数2万例以上の内視鏡検査を実施してきた、日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医・指導医である院長が、すべての内視鏡検査を担当いたします。最新鋭の内視鏡システムを用いて検査を行うため、精度の高い検査を短時間に行うことができます。また、鎮静剤を用いた内視鏡検査で眠ったままの状態で検査を受けることが可能となっております。些細なことでも、お気軽にご質問ください。

以下のような症状がある方は胃カメラ検査をお勧めしています。
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胸やけ
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胃もたれ
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胃痛、みぞおちの痛み
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のどのつかえ感がある
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食欲不振
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げっぷが増えた
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呑酸(酸っぱい液や苦い液が口まで上がってくる)
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吐き気・嘔吐
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ピロリ菌感染が心配
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胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
胃カメラ検査を受けるタイミング
50代を超えると様々ながんを発症しやすくなると言われています。そのため、40代を迎えたら、一度は胃カメラ検査を受けておくとよいでしょう。また、ピロリ菌感染陽性もしくは除菌後など、胃がんの発症リスクが通常よりも高いと考えられる方は、40代になる前から検査を受けることをお勧めします。

胃がんの発症初期は自覚症状が乏しいため、進行して別の臓器に転移してから症状が現れ、がんの存在に気づく場合があります。胃がんは早期発見することができれば、体への負担が少ない治療で完治 が期待できます。胃がんの早期発見と確定診断を実現できるのは、胃内視鏡検査だけです。特に自覚症状が無くても、定期的に検査を受けることをお勧めします。
胃カメラ検査とバリウム検査の違い
胃カメラ検査は直接胃内部を観察できますが、バリウム検査はX線で間接的に影を見ていることになります。当然ながら胃カメラの方が早期胃がんや早期食道がんの検出率が高い検査になります。
また、胃カメラ検査では組織が採取でき、病理検査を行うことで確定診断ができます。バリウム検査では疑わしい病変が発見されても確定診断のために改めて胃カメラ検査を受けなければならず、二度手間になってしまいます。
他にもバリウム検査には、かなり低いとはいえ造影剤を服用することで腸が詰まってしまう(腸閉塞)リスクと放射線被曝のリスクがあります。現在、胃癌検診もバリウム検査から内視鏡検査へ移行しつつあり、今後、胃がん内視鏡検診は更に普及していくものと思われます。
胃がんや食道がんはできるだけ早期に発見することで、心身への負担が少ない治療が可能になります。こうしたことから、当院ではバリウム検査よりも胃カメラ検査を推奨しております。
胃カメラ検査でわかる病気
胃カメラ検査では咽喉、食道、胃、十二指腸の粘膜に起こった変化や病変を発見することができます。
検査中に病変が見つかった場合、直接その組織を採取する「生検」を行います。これにより確定診断が可能です。
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胃がん
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食道がん
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十二指腸がん
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胃炎
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胃潰瘍
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十二指腸潰瘍
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胃ポリープ
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十二指腸ポリープ
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逆流性食道炎
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胃アニサキス症
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食道裂孔ヘルニア
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ピロリ菌感染
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機能性ディスペプシア(病変がないことを確認することで診断)など

当院の胃カメラ検査の特徴
01.内視鏡専門医による精度の高い胃カメラ検査
当院では、これまでに総件数2万例以上の内視鏡検査を実施してきた、日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医・指導医である院長が、すべての内視鏡検査を担当いたします。
数ミリの微小病変を見逃さない確かな観察力、病変の良悪性や悪性度を瞬時に見極める診断力、さらに病変を適切に治療する高度な技術を備えた医師が、責任をもって内視鏡検査を行います。

02.鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査
当院では基本的には鎮静剤の使用を推奨しております。眠ったままの状態で検査を受けることが可能となっております。ほとんどの方は無痛で検査を終える事ができます。鎮静剤は、患者様の年齢や体格、既往歴などを十分考慮した上で慎重に見極めて投与量を最小限にコントロールしています。胃カメラ検査に苦手意識がある方も安心してご相談ください。


鎮静剤を使用することで、
咽頭、喉頭、食道入口部分もしっかり観察できる
ノドの奥(赤丸部分)は、鎮静剤を使用しない場合、咽頭反射「オエッ!」のため、しっかりした観察が困難なことが多くなります。そのため、咽頭癌、喉頭癌、食道入口部癌の見逃しにつながります。
鎮静剤には、苦痛を取り除く以外にも、こういった箇所の安定した観察を可能とし、見逃しを少なくできるメリットがあります。

実際の症例:早期喉頭癌
この症例では、鎮静剤を使用し、NBI併用観察を行うことで、小さな早期喉頭癌(黄色円)を発見することができました。早期に見つけることで、最小限の治療で根治することができました。


※鎮静剤を使う検査を受ける場合、検査後の当日の車やバイクの運転はできません。公共交通機関を利用されるか(当院は昭島駅より徒歩4分です) 、ご家族などの送迎でいらしてください。
03.最新の内視鏡設備を導入
当院の胃カメラ検査には、最新の内視鏡システムであるオリンパス社「EVIS X1」を導入しております。血管分布を把握できる特殊光や拡大システム、炎症の正確な評価をサポートする画像処理、微細な病変をリアルタイムでの観察が可能になるデジタルハイビジョンなどを搭載した最新モデルです。
がんの増殖には血管からの栄養補給を必要とするため、病変の近くの粘膜には、小さな血管が集まりやすくなります。そのため、この小さな血管の集まりをいち早く発見することが、がんなどの病変の早期発見には重要です。
そのために用いられる技術が、「NBI:Narrow Band Imaging (狭帯域光観察) 」です。NBIは、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい紫と緑の2つの特殊な光を照らすことで、粘膜表層の毛細血管やそのパターンなどが強調して鮮明に表示される観察技術です。これにより、通常光による観察では見えづらかったがんなどの病変の早期発見が期待できます。
他にも画像処理によって炎症の強調表示が可能であり、拡大などの機能も手元で簡単に切り替えることができます。内視鏡専門医がリアルタイムでこれらの高度な診断補助機能を用いながら、質の高い胃カメラ検査を行っております。

通常内視鏡検査

NBI併用観察

どちらも食道の同じ場所を撮影した画像です。左側が通常の内視鏡検査、右側がNBI併用観察です。
通常内視鏡では視認しにくい病変が、NBIで観察することで、茶色く浮かび上がってみえます(黄色円)。
NBIは食道癌や胃癌、大腸癌の視認性を高めることが証明されており、現在では病変の見逃しを少なくする重要な診断技術となっています。
04.特殊光(NBI)×拡大内視鏡による早期がん診断
特殊光(NBI)を併用した拡大内視鏡を用いて、モニター上で通常の内視鏡の約100倍程度の高解像拡大画像を得ることができます。微小な血管や表面構造の不整さを精密に評価することで、早期がんを発見しやすくします。また、病変の広がりを見極めることができます。
通常内視鏡検査

NBI併用観察

通常内視鏡検査で胃にやや目立つ赤みがあります(黄色円)。通常内視鏡だけでは炎症なのか、癌なのか判別がつけにくい病変です。
右側の画像は、拡大内視鏡という特殊な内視鏡で、黄色円部分を100倍程に拡大し、NBIを併用して観察したものです。拡大内視鏡+NBI観察を用いることで、癌に特徴的な血管や構造のパターンを認識し、正しく癌と診断することができました。
05.大型ハイビジョンにモニターによる観察
当院では、大型ハイビジョンモニターでリアルタイムに確認しながら胃カメラ検査を進めています。映り込みや反射のないモニターですので、拡大や特殊光の観察でも詳細な画像を得られ、スピーディで精緻な検査が可能です。