大腸カメラ検査
大腸カメラ検査とは
大腸カメラ検査は、直腸から盲腸までの大腸全域の粘膜を直接観察します。ポリープや炎症の有無、病変の形状や特徴を確認し、組織を採取して生検を行うことで、確定診断が可能です。さらに、将来的にがんになるリスクが高い大腸ポリープを見つけた場合、検査中にそのまま切除することができます。
当院では、これまでに総件数2万例以上の内視鏡検査を実施してきた、日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医・指導医である院長が、すべての内視鏡検査を担当いたします。最新鋭の内視鏡システムを用いて検査を行うため、精度の高い検査を短時間に行うことができます。また、鎮静剤を用いた内視鏡検査で眠ったままの状態で検査を受けることが可能となっております。些細なことでも、お気軽にご質問ください。

以下のような症状がある方は大腸カメラ検査をお勧めしています。
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便に血や粘液が混ざっている
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血便が出た
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下痢や便秘を繰り返している
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腹痛や便秘に悩んでいる
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便潜血検査陽性だった
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血液検査で貧血を指摘された
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便が細くなってきた
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おなかが張っている
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便意はあるのに少ししか出ない
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残便感
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急に体重が減ってきた
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家族に大腸ポリープや大腸がんの発症歴がある方
大腸カメラ検査を受けるタイミング
大腸がんのほとんどは、前がん病変である大腸ポリープから発症します。大腸ポリープをそのまま放置してしまうと、大腸がんを発症するリスクが高まります。そのため、大腸ポリープができるリスクが高まる40代以降になったら、定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めしております。また、大腸がんの発症は60代に多く見られます。このことからも、早めに大腸カメラ検査を受けることで、早期発見・早期治療が可能となります。

大腸カメラ検査は40歳以上を目安に定期的に受けることをおすすめしています。頑固な便秘や下痢、排便時に血が付くなどの症状がある場合や、ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方は、さらに早めに検討しましょう。
なお、便潜血検査だけでは、全ての早期大腸がんの発見には至りません。がんの元になるポリープも、小さいうちは症状がないため、積極的に大腸カメラ検査を受け、大腸がんの芽を摘むことが大変重要です。
大腸カメラ検査でわかる病気
大腸カメラ検査では肛門、直腸から盲腸までの大腸全域の粘膜に起こった変化や病変を発見することができます。検査中に病変が見つかった場合、直接その組織を採取する「生検」を行います。これにより確定診断が可能です。
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大腸がん
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大腸ポリープ
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遺伝性大腸腺腫症(FAP)
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遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)
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大腸カルチノイド
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潰瘍性大腸炎
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クローン病
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過敏性腸症候群
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虚血性大腸炎
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大腸憩室・大腸憩室炎
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肛門ポリープ
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直腸粘膜脱症候群
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内痔核 など
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当院の大腸カメラ検査の特徴
01.内視鏡専門医による精度の高い大腸カメラ検査
当院では、これまでに総件数2万例以上の内視鏡検査を実施してきた、日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医・指導医である院長が、すべての内視鏡検査を担当いたします。
数ミリの微小病変を見逃さない確かな観察力、病変の良悪性や悪性度を瞬時に見極める診断力、さらに病変を適切に治療する高度な技術を備えた医師が、責任をもって内視鏡検査を行います。

軸保持短縮法
大腸は曲がりくねった臓器であり、内視鏡を挿入していくと腸壁に触れたり腸が伸びたりして痛みを伴います。軸保持短縮法は、大腸のヒダをたたみ込んで直腸から盲腸までの経路を短縮して内視鏡をまっすぐに挿入する方法で、検査時の痛みをやわらげることができます。当院の院長は日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医・指導医としてこのような内視鏡手技を得意としており、繊細で丁寧な操作で大腸の最深部までスムーズでスピーディな検査が可能になっています。

02.鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査
眠っているようなリラックス状態で検査を受けることができる鎮静剤を用いた大腸カメラ検査が可能です。リラックスして検査を受けていただくことは、患者様にとって心身へのご負担がなくなるだけではなく、鎮静剤を使用して眠ったような状態で検査を受けていただくことは、患者様にとって心身へのご負担が軽減するだけではなく、医師の側も患者様の身体が緊張していないことで、スコープの移動がスムーズに行えることや、気になる部分をじっくりと観察することができるというメリットもあります。
※鎮静剤を使う検査を受ける場合、検査後の当日の車やバイクの運転はできません。公共交通機関を利用されるか(当院は昭島駅北口より徒歩4分です)、ご家族などの送迎でいらしてください。

04.最新の内視鏡設備を導入
当院の大腸カメラ検査には、最新の内視鏡システムであるオリンパス社「EVIS X1」を導入しております。血管分布を把握できる特殊光や拡大システム、炎症の正確な評価をサポートする画像処理、微細な病変をリアルタイムでの観察が可能になるデジタルハイビジョンなどを搭載した最新モデルです。
がんの増殖には血管からの栄養補給を必要とするため、病変の近くの粘膜には、小さな血管が集まりやすくなります。そのため、この小さな血管の集まりをいち早く発見することが、がんなどの病変の早期発見には重要です。
そのために用いられる技術が、「NBI:Narrow Band Imaging (狭帯域光観察) 」です。NBIは、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい紫と緑の2つの特殊な光を照らすことで、粘膜表層の毛細血管やそのパターンなどが強調して鮮明に表示される観察技術です。これにより、通常光による観察では見えづらかったがんなどの病変の早期発見が期待できます。
他にも画像処理によって炎症の強調表示が可能であり、拡大などの機能も手元で簡単に切り替えることができます。内視鏡専門医がリアルタイムでこれらの高度な診断補助機能を用いながら、質の高い大腸カメラ検査を行っております。

05.特殊光(NBI)×拡大内視鏡による早期がん診断
特殊光(NBI)を併用した拡大内視鏡を用いて、モニター上で通常の内視鏡の約100倍程度の高解像拡大画像を得ることができます。微小な血管や表面構造の不整さを精密に評価することで、ポリープの良悪性の判断を行い、早期がんを発見しやすくします。また、病変の広がりや深さを見極めることができます。
通常内視鏡検査

NBI併用拡大観察

通常内視鏡検査で、大腸に中央がややへこんだ、8㎜大の赤いポリープがあります。
右側の画像は、拡大内視鏡という特殊な内視鏡で、黄色円部分を拡大し、NBIを併用して観察したものです。拡大内視鏡+NBI観察を用いることで、血管や構造のパターンを詳細に観察することができます。この病変では、太い血管が途中で見えなくなったり、血管があまり見られない部分があり、小さいわりに深く根をはった癌であると判断し、適切な治療を選択することができました。
06.大型ハイビジョンにモニターによる観察
当院では、大型ハイビジョンモニターでリアルタイムに確認しながら大腸カメラ検査を進めています。映り込みや反射のないモニターですので、拡大や特殊光の観察でも詳細な画像を得られ、スピーディで精緻な検査が可能です。

07.炭酸ガス送気で検査後のおなかの張りを軽減
大腸は大きく曲がっていますので、そのままではしわになった部分の観察ができません。そこで大腸カメラ検査の際には気体を送り込んで大腸を膨らませ、隅々まで確認できるようにしています。従来は空気を送り込むことで検査後に長くおなかの張りが残って不快感が続きましたが、当院では速やかに吸収される炭酸ガスを送気することで検査後のおなかの張りが速やかに解消できるようにしています。炭酸ガスは空気の200倍吸収されやすく、体内に吸収されると二酸化炭素になって呼気で体外へ速やかに排出されることから安全性も高くなっています。

08.忙しい方にも内視鏡検査を受けていただきやすい体制
●土曜日の大腸カメラ検査も可能
当院では、土曜日も内視鏡検査を行っております。
平日にお時間をとることが難しい方も内視鏡検査を受けていただけます。土曜日の検査も経験豊富な専門医が丁寧に観察し、クオリティの高い検査を実施しています。
※大腸カメラ検査をご希望の方は、事前診察が必要です。
●胃カメラ・大腸カメラの同日検査が可能
当院では、胃・大腸の内視鏡検査を同日に受けていただけます。事前の準備や食事制限も一度で済むため、お忙しい方にも検査を受けていただけます。
※内視鏡検査の前に診察のご予約をお取りください。
9.検査終了後、リカバリールームでお休みいただけます
鎮静剤を用いた内視鏡検査を行った場合、目が覚めるまでには少し時間がかかりますので、その間はリカバリールームで横になってお休みいただけます。

10.徹底した衛生管理
日本消化器内視鏡学会ガイドラインに準拠した洗浄・消毒を徹底して行っております。
内視鏡スコープは洗浄記録を機械で管理し、使い捨てが可能なものはディスポーサル製品を使用しております。

11.検査後、内視鏡画像を見ながら丁寧に説明
検査は受けたけれど、「検査の結果がよくわからなかった」、「ポリープがあったみたいだけど、大丈夫だったのかな?」「今後どれくらいの頻度で内視鏡検査を受けたらいいのだろう・・・」など、疑問を感じたことはありませんか?
受けていただいた内視鏡検査は、専用のハイビジョン画像ファイリングシステムにより診察室に転送されます。患者様と一緒に画像を見ながら「内視鏡検査で何が分かったのか」、「内視鏡検査でどのようなことを行ったのか」、「今後はどうしたらよいのか」などを詳しく説明するように努めています。

大腸カメラ検査の流れ
2. 事前診察
大腸カメラ検査には検査数日前からの食事制限や前夜と当日の下剤使用が必要となります。
具体的な食事制限や下剤の服用、検査後の制限事項などについては、事前に診察を受けていただき、その際に詳しくご説明の上、下剤などの処方を行います。
服用している薬の中には、当日休薬していただかなければならないものもありますので、事前診察の際、必ず医師にお申し出ください。
3. 検査前日、前々日
前日、前々日は、消化しやすいものを食べるようにしてください。食事内容については事前診察の際に具体的な制限内容を分かりやすくお伝えしています。
前日の夕食は19時までに済ませ、それからは検査終了まで絶食となります。水分摂取は夕食後も可能です。
就寝前には、事前にお渡しした下剤を服用していただきます。
4. 検査当日の朝
朝食はとらず、水分摂取の際は水を飲むようにしてください。
お薬を服用されている場合、休薬・服薬については事前に医師から指示がありますので、その内容に従って休薬・服薬してください。
5.下剤の内服
検査開始の5~7時間前になったら下剤の服用を開始し、検査開始30分前までにご来院いただくスケジュールとなっています。基本的にご自宅で下剤を服用し、排便が落ち着いてからご来院となります。下剤服用や移動に不安がある場合には、事前にご相談いただいた上で院内での下剤服用も可能であり、その場合には指定のお時間にご来院いただきます。
6. ご来院
指定のお時間にご来院いただきます。
検査準備を行います。
※鎮静剤を使う検査を受ける場合、検査後の当日の車やバイクの運転はできません。公共交通機関を利用されるか(当院は昭島駅北口より徒歩4分です) 、ご家族などの送迎でいらしてください。
7. 大腸カメラ検査
検査自体の所要時間は15分程度です。
ポリープ切除や病理検査に用いる組織の採取を行った場合でも20~30分程度で完了します。
8. 検査後
検査後は、リカバリールームでお休みいただいた後、ご帰宅頂きます。
検査中にポリープの切除や組織の採取などを行った場合、検査結果が出るまでに2週間程度お時間を要しますので、再度ご来院いただく必要があります。
9. ご帰宅後
●検査のみの場合
飲食は検査後1時間経過してから可能になります。
当日の激しい運動や長距離移動は控えていただきます。
●組織採取やポリープ切除を行った場合
3時間以上経過してから消化しやすいものを食べてください。
食事や運動、長距離移動などに関する制限が1週間程度ありますので、結果説明の際に当日やそれ以降の過ごし方についての注意点をお伝えしています。